親の終活(終活カウンセラー筆)

ここでは、親の終活・介護について、考えてみたいと思います。

日本人の平均寿命は延び続け、「人生100年時代」といわれるようになってきました。その中で、最近では老々介護という言葉もよく耳にします。自身の終活の前に親の終活について考えてみましょう。老いた親には長生きしてほしいものです。でもいつか、送る日が来ます。それまでに心の準備と、いざという時の準備もしておきたいものです。

親の介護について

老親の介護は、ひと昔に比べて、ほんと楽になりました。多くの介護施設ができ、介護保険を利用して、比較的安い金額でいろいろな介護サービスを受けられるようになったからです。では老親の介護が必要になったら、どこへ相談すればいいのでしょう。

自宅介護
自宅介護

まずは役所に相談

まずは役所。区役所、市役所の介護保険課、地域包括支援センターなどに相談すれば、ケアマネージャーさんがすぐ来てくれます。そして、デイサービス、ショートステイ、訪問看護など、その方にあったいろいろなサービスの利用方法を的確にアドバイスしてくれます。いい時代になりました

区役所
区役所

両親はいつまでも親

このサイトの主催者、村上も93歳の義母と同居しています。日に日に、まだらボケが増えてきています。介護認定も受けていますが、本人は、「行かない」「そんなにボケていない」「デイサービスなんて、もっと年寄りが行くんでしょう」。いつまでたっても、自分は、子供の親。そんなにボケてもいないし、介護も要らない。そんな高齢者も多いのではないでしょうか?一方では、デイサービス行って、がぜん、元気になってくる高齢者もいます。聞くと、今まで寂しくはなかったが、する事が無かった。そんな高齢者もいます。とにかく、「いつまでたっても親は親」、これを頭に置いて、親の介護を考えましょう。

病院で
病院で

介護は親の老化の程度で大きく変わります。また、日々、程度も悪くなっていきます。よくなる事はあるんでしょうか?日常生活に支障が出始めたら、まずは、行政に相談して下さい。民生委員でもいいです。行政と窓口を開いてくれます。自分でため込まないいで、まずは、行政に相談してみてください(民生委員談)

両親の介護施設の入居は慎重に

介護というと、有料老人ホームとか、高額なイメージです。確かに、義姉が両親を見ていた時、両親2人で50万円もかかっていました。兄夫婦は、事業をしていたので、払えたかもしれませんが、一般的に親を介護をされている方は、それほど、出費されていないと思います。自分が最後で、不動産を処分して、年金で支払える財力のある方は、高額な施設に入っておられます。しかし、自分たちの生活もあるわけです。そんな高い施設に入居するなんて・・・ちょっと無理。それが現実じゃないでしょうか

民生委員・終活カウンセラーの仕事は、いろんな相談を受ける事が仕事です。その都度、いろんな業者を調べて、資料請求して、手配したこともあります。まずは、介護施設がどのようなもので、毎月いくらかかるのか、まずは調べる事です。資料請求だけで、お金はかかりません。まず、介護施設入居の実態を知る事。高齢の両親を、立派な施設の入れる事は子供として、素晴らしい事です。でもそれも、経済的な余裕があってこそ。一度、調べましょう

相続について

終活の中で、最も大事なのは、親が築いてきた財産や、先祖代々、守ってきた土地・不動産などの資産の相続のことです。親からの遺産を相続するにあたって注意すべきことについて考えてみましょう。

あなたの知らない法定相続人はいませんか

財産を相続する場合、必要とされる書類の一つに、権利者(被相続人)の原戸籍(げんこせき、はらこせき)と呼ばれる戸籍があります。原戸籍とは、正確には改正原戸籍(かいせいげんこせき)と呼ばれるものですが、被相続人が生まれてから死亡するまでのすべての戸籍情報が記載されているものをいいます。これによって調べていくと、戦中、戦後の大変な時代には、養子縁組などが頻繁に行われており、会った事のない血縁者が見つかることがあります。養子も実子と同じ権利を持つ法定相続人となります。その場合は、その人の相続の権利の有無や、意思の確認が必要になってくるので、事前の調べておく事をお勧めします。

あなたの知らない異母兄弟はいませんか

親に借金はありませんか

親が事業をしていたり、不動産の購入の際に、借金を残していませんか?不動産の購入に関わる借金は、抵当権が登記に記載されていますので調べれば判ります。しかし、消費者金融に借金がある場合、借用書がないケースもありますので把握するのは難しいかもしれません。

永代使用料
借金

法定相続人は、このような負の財産も、引き継ぎます。被相続人の借金も、子から孫へと引き継がれていくのです。こんな場合、この相続を放棄をする事もできます。被相続人の負の財産については、放棄がいいです。これで、親の負の財産が、自分や子(被相続人からすれば孫)、まで及ぶ事はありません。

しかし、相続分に不動産がある、しかし、被相続人に借金がある。プラスの財産(不動産)よりマイナスの財産(借金)が大きい場合は、相続を放棄したほうが得ということになります。ただし、これにはメリット、デメリットがあるので、詳しいことを良く調べ、あるいは相続財産の承継に詳しい税理士さんに相談し、より良い方法を選択してください。

家族なのに親の資産を扱えなくなる

認知症による資産凍結から、家族の財産を守るために

親が認知症になってしまうと、
・銀行預金を引き下ろせない
・自宅を売却できない
・生前の相続対策ができない
・・・ などの「資産凍結」に陥る可能性があります。

内閣府の高齢社会白書によると、2025年には高齢者の方の5人に1人が認知症を抱えていると推計されています。また厚生労働省によると、2020年に認知症患者数は約630万人、2050年には1,000万人を超えると推計されています。日本では超高齢化に伴い、認知症患者も急速に増加しております。

親の資産凍結状態を避ける

認知症になると意思能力を喪失したと判断されてしまい、いわゆる「資産凍結」状態に陥ってしまいます。資産凍結により多くの方が、生活費の工面や、介護費用の捻出、生前の相続対策などが難しくなり困る事もあります。

家族信託

認知症による資産凍結問題の対策としては、成年後見制度が2000年からスタートしました。資産凍結問題への新たな対策として、2016年頃から「家族信託」という、家族の中で資産を信託し管理・承継を行う仕組みが注目され始めました。

家族信託は家族間で信託契約を締結することで、親が元気なうちに資産の管理権を子世代に移転する法的制度です。これにより資産凍結リスクを回避し、さらには相続後の遺産分割までを担うことができる仕組みです。

遺言より、簡単。遺言なんてたいそうな・・・そんな方には、お勧めの一冊です。楽天BOOKで購入できます

司法書士のグループが書いている本です。少し難しい言葉が出てきますが、大丈夫です。家族信託の説名本はたくさんありますが、入門書的な本です。値段も手ごろで、読みやすいです。親が認知症になる前に知っておきたい、家族信託の基本的な仕組が判ります。安心の財産管理をすすめています

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感想(1件)

親が認知症になる前に・・・遺言書

前述のように、被相続人の意思能力が無くなれば、たいへんな苦労があります。親が認知症になる前に(ならなければいいんですが・・・)、調べられる事は調べておきましょう。そして、トラブルが予想される場合には、遺言書を作成してもらうのがいいでしょう。遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密文書遺言などがあります。

遺言は相続で最も大事な事です

遺言書の作成を決して無理強いしない

ここで気を付けてほしいのは、いずれの場合でも遺言書の作成を決して無理強いしない事です。弱ってきても、自分が死ぬことは受け入れられないのが人間です。無理強いがきっかけで親子の関係が悪くなっては大変です。しっかりと話し合い、納得したうえで、あなたがこれらの作業の手助けをしてあげると、スムーズにいくのではないでしょうか。

自筆証書遺言における相続税法の改正

自筆証書遺言の場合、全文を本人の自筆で書く必要があります。でも、2019年、相続税法が変更され、財産目録に関してのみ、パソコンでの作成が許されるようになりました。親の財産目録を、あなたがパソコンで作成してあげれば、ご両親の資産の詳細を知る事ができて、相続の対策も立てやすくなりますね。

またこの改正では、作成した遺言書を法務局で保管してくれるという制度も追加され、遺言書の紛失、改ざんの恐れがなくなるほか、家族が遺言書の有無を簡単に確認できるようになりました。

公正証書遺言

公正証書遺言は、被相続人本人が公証人役場に出向き、遺言の内容は専門家である公証人が筆記します。原本が公証役場で保管されるため、法律上無効になることがなく、改ざんや紛失の心配もありません。ただし、作成するには様々な手続きが必要なため、手間と費用がかかります。

あなたがこの遺言書の作成をサポートした場合、兄弟姉妹からあなたに有利な内容になってないか、懸念を持たれる事もあります。手続きを進めるごとに、その都度、兄弟姉妹間で情報を共有しておくのがいいでしょう。円満相続のためには、こういう気遣いが必要ですね。

親が認知症になる前に

親の生活、最後の処理

近年、2世帯同居は減ってきました。親の世帯の後片付けも大変。また、片親になった時、引き受ける長男様も多いですが、残った家、片親の遺品処理も大変です。しかし、近年、遺品処理業者も増えました。信頼できる大手企業が遺品処理の仕事をしています。できる事ならば、ある程度、不要な荷物を集めて、依頼する事です。その方が、安くできます。また、相みつはした方がいいです。下記に遺品処理業者のバナーを張っておきます。確認してください。

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